病診連携 在宅医療連携拠点事業

 あおぞら診療所では、以下の6つに代表される活動を通して、病院と診療所との連携をはかっています。

連携病院との病診連携カンファレンス

 平成23年4月より、在宅医療の後方支援機能を担う松戸市立福祉医療センター東松戸病院と2か月に1回のペースで、診療所と病院の両者の医師、医療ソーシャルワーカーが同席した「病診連携カンファレンス」を開催しています。

 日頃から密な連携と適切な情報共有を行うことに加え、カンファレンスでは、医療処置等の多い患者さんが退院時に必要な社会資源に繋がり、スムーズに退院支援・在宅移行体制をとれるよう話し合いを行っています。また、平成23年8月より、新たに国立がん研究センター東病院緩和医療科がカンファレンスに加わり、3つの医療機関でのがん患者の退院支援に関してより充実した連携ができるようになりました。

 

ホスピストライアングル

 平成23年8月より、松戸市立福祉医療センター東松戸病院、国立がん研究センター東病院緩和医療科、当院の3者で病診連携カンファレンスを行う中で、3者が一体となり患者さんやご家族を地域で支えるシステム“ホスピストライアングル”の構築を新たに取り組み始めました。「がん治療を行う専門病院」「地域の病院」「地域の診療所」の3か所が緊密に連携し、患者さんやご家族が3か所の医療機関のどこに相談しても、患者さんの状態に最適な医療機関で切れ目のない医療やケアを提供できるように対応することを目指すものです。

 現在、ホスピストライアングルを説明した患者さん・ご家族向けのリーフレットを作成し、3つの医療機関にリーフレットを配置しています。

資料

トライアングルリーフレット  

 

在宅療養移行報告書

 病院と在宅の連携に関して、病院側のスタッフから、入院患者さんが退院後にどのような生活を過ごしているのか分からない、知りたいといったお声を頂くことがあります。そこで平成24年1月から、病院から訪問診療の依頼を受けた患者さんの中でも、病院の退院支援に関わったスタッフが病状以外の面に不安要素を抱いていた患者さんを対象に「在宅療養移行報告書」の作成を開始しました。報告書は患者さんごとに在宅での療養生活を支えている多職種(医師・訪問看護師・ケアマネジャー・歯科衛生士・リハビリスタッフ等)に情報収集を行い、“現在の病状や治療方針”だけでなく、本人・家族に聞いた“療養生活上のエピソード”を交えた内容にしています。

 在宅療養移行報告書を通して、病院の医師・看護師・医療ソーシャルワーカーに、患者さんの退院後の経過をフィードバックすることで、患者さんがどのような療養生活を送っているのかを伝えると同時に、今後、退院支援を行う際の参考にして頂くために、今後継続的に作成していく方針です。

在宅医療移行報告書送付先

  1. 国府台病院
  2. 国立がん研究センター東病院
  3. 千葉西総合病院
  4. 辻仲病院柏の葉
  5. 東葛病院
  6. 東松戸病院
  7. 松戸市立病院
  8. 日本医科大学付属病院
  9. 旭神経内科リハビリテーション病院
  10. 東京慈恵会医科大学附属 柏病院

資料

在宅療養移行報告書 例1>>  

 

緩和ケア病棟との合同カンファレンス

 あおぞら診療所では、平成21年5月から、埼玉県三郷市(松戸市に隣接)の「みさと健和病院緩和ケア病棟」の病棟カンファレンスに月2回、医師・医療ソーシャルワーカーが参加しています。

 当院の参加に続いて、他病棟の看護師、地域の他の訪問看護ステーションの看護師、クリニックの医師、看護師も参加するようになりました。カンファンスを行うことで、病院側は「がん患者さんに対してスムーズな入退院調整を行うためにはどのようにしたらよいか」、「自宅で過ごしたい患者さんの希望を実現するために、どのような調整をすると良いか」等について、在宅側と議論、アドバイスを受ける事ができます。

 一方、在宅側からも病院側に対して、在宅療養中のがん患者さんの症状緩和目的の入院やレスパイト入院等の相談を行うことで、病院の緩和ケア病棟と在宅医療との効果的な連携を図っています。

 

病院看護師の在宅医療研修

 病院と在宅の連携に関して、病院側のスタッフからは、在宅医療に対する具体的なイメージがつかない、在宅医療の現場を見学したいとのお声を頂きます。あおぞら診療所では、病院看護師の研修をより拡大して受け入れることに致しました。

 在宅部門(訪問看護など)を併設していない地域の中核病院と専門病院の看護師を中心に研修を受入れてきました。(国立がん研究センター東病院からは、2011年に中堅看護師15名,各2日間、2012年は12名,各2日間/松戸市立病院からは、2011年は 看護師長を中心に10名,1日間、2012年は中堅看護師を中心に14名,各2日間)。研修では訪問診療同行、訪問看護同行をベースに、「訪問看護概論」や「在宅における医療処置の工夫」等に関するミニレクチャー、がん患者さんの新患導入面接の同席等を組み合わせた内容を行っています。研修を受けた看護師からは、「療養生活の実際を知ることができた」、「必要な退院支援が分かった」、「退院調整に対する意識が変化した」、「病院と在宅医療と福祉の連携が重要であると強く感じた」等の感想を頂いています。

 病院看護師がこの研修を通じて、在宅医療や療養生活を目にすることで在宅医療のイメージを持って頂けたらと考えています。

資料

病院看護師の在宅医療研修>>  

 

ソーシャルワーカー学習会

 あおぞら診療所では、平成22年3月から、松戸市内の病院の医療ソーシャルワーカー(MSW)向けの学習会を開催しています(年2、3回開催)。平成23年は計2回開催しました(うち1回はケアマネジャーとの合同総会)。

 第6回MSW学習会は、5月16日(月)にあおぞら診療所にて開催しました。7医療機関16名の方が参加し、地域社会資源マップを題材に「市内の高齢者人口や介護保険サービスの提供体制」を確認すると同時に、現状の退院支援における困難等を話し合いました。開催時期が5月ということもあり、4月からMSWとして勤務を始めたばかりの方も参加され、「地域の社会資源を知ることができた」等の声が多く聞かれました。

 第7回MSW学習会は、ケアマネージヤー連絡会総会(10月14日)との合同企画として、MSWとケアマネジャーの2職種間での症例検討・意見交換会を行いました(詳細はケアマネジャー連絡会の活動報告を参照)

 

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