平成25年度イベント 多職種カンファレンス

シンポジウム「高齢者の救急医療と在宅医療を考える」

 救急シンポジウム 「高齢者の救急医療と在宅医療を考える ~みんなで守ろう!松戸市の救急医療~」を開催しました

日  時:平成26年6月24日(火) 18:30~20:40
場  所:松戸市民劇場
参加人数:237名
テーマ :「高齢者の救急医療と在宅医療を考える ~みんなで守ろう!松戸市の救急医療~」

ポスター

 松戸市における高齢者の救急医療と在宅医療をテーマに据え、シンポジウムを開催しました。
 本シンポジウムの開催にあたり、約1年にわたり医療や介護、救急の職に従事する地域の皆さまにご協力をいただいて参りました。中でも、当地域における救急医療と在宅医療の課題を明らかにする上では、特に次の二つの取組みが重要な意味を持ちました。
 まず、2013年10月に、松戸市における救急医療をテーマとしたカンファレンス(市内で医療や介護の仕事に従事する専門職153名が一堂に会した多職種合同カンファレンス)です。ここでは、患者を救急搬送する‘送り手’の視点から、以下3つの課題が明らかになりました。

1.情報共有(病歴や背景、これまでの身体状況などについての情報共有)
2.判断基準(救急搬送すべき状態かどうかについての現場の判断)
3.意思決定(どこまでの医療を希望するのかについてのリビングウィル)

 また、上記カンファレンス参加者からアンケートを通じて、救急搬送の‘受け手’である病院側の意見を聞きたいとの声が多数寄せられ、この要望に応えるかたちで、松戸市内の病院や診療所、訪問看護ステーションに所属する医師と看護師、消防署のスタッフの有志で「救急医療と在宅医療を考える会」を企画しました。
 2014年3月に「救急医療と在宅医療を考える会 意見交換会」を行なったところ、さらに3つの課題が明らかとなりました。

4.予防的な手立て(急病が生じる前の予防策や在宅医療としてできる対応)
5.入院後の後方支援(在宅医療や後方支援機能を担う病院が果たすべき役割)
6.その他の課題(精神疾患患者や死亡確認のための搬送などの重要各論)

 これら6つの課題について多職種で討議し、その解決策を探ることを目的に据え、本シンポジウムを開催しました。
 シンポジウムは二部構成とし、第一部では救急搬送を受け入れる側である病院の立場から、松戸市内6病院の医師、看護師、医療ソーシャルワーカーから意見や提言をいただきました。その内容をもとに、第二部では多職種からの登壇を得て複眼的に救急医療の課題と解決策について討議しました。
 6つの論点のうち、「情報共有」、「意思決定」、「入院後の後方支援」を中心に議論が展開され、その解決策として提起されたものが以下の内容となります。

「情報共有」:専門職が記入する情報シートを作成し地域での一体運用を目指す
「意思決定」:情報シートを活用して主治医や訪問看護師等と病院が連絡を取る
「入院後の後方支援」:後方支援機能を担う医療機関の会議体を新たに構えるべき

 シンポジウム終了後に実施したアンケートをとおして、「介護、訪問先の家族と連携して救急時の情報をまとめたシートを整備したい」、「専門職としての情報提供をしていく」といった、情報共有に関する意見が多く寄せられました。また、「意思決定を患者や家族ができるように、よく話を聞いて、思いを引き出すような援助をしていきたいと思います」といったコメントも寄せられました。入院後の後方支援という点については、連携という観点に立ち、「病院で対応可能なことを実行したい。何ができるかを、チームで検討したい」、「入院後の後方支援病院の職員として、スムーズな受け入れに取り組みたいと思います」といったコメントに加え、「今後、救急病院が高齢者であふれ、機能しなくなっては困るので、地域で高齢者対策をどのように取り組んでいけるか…」といった課題についても寄せられました。
 一連の取組みと本シンポジウムを踏まえ、情報共有をスムーズにするための仕組み作りに優先的に取り組んでいくこととなりました。

会場の様子
病院からの論点提示
多職種による討議

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